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アメリカを読むミステリ100冊  野崎六助著

 20世紀のアメリカをテーマに主としてアメリカのミステリを100冊選び、各作品を論じてアメリカの正体に迫る、異色のミステリガイドはこれ。

 最も多く取り上げられた作家はエラリー・クイーンで、3節に分けて5作品が論じられている。時代の進展にともなって「作品の変遷と作家の転変」が語られ、短いが優れたクイーン論になっている。また、ダシール・ハメットは3作品が選ばれ、鋭く深い作家論が展開されている。数ページなのに長篇の評論を読んだ気分にさせられる。トマス・ハリスにいたっては、レクター博士3部作を取り上げ、サイコ・キラーの作品の運命を辿る。これも深慮遠謀のの作品配置で、さりげない名人芸に思わずうなってしまう。

 選ばれた作品の中には、ミステリとは言えないような作品がある。たとえば、ラヴクラフト、フォークナー、ハインライン、ヴォネガット、ディック、キイスなどの作品。これらの作品がミステリの間に配置されている。これが示唆に富んでいて、興味深くおもしろい。

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本格ミステリーを語ろう!(海外篇)  芦辺拓 他著

 ミステリー・ファンが高じてミステリー作家になった4人が、楽しく時に激しく語り合った海外の本格ミステリーのガイド・ブックはこれ。

 ミステリーの歴史に沿ってポーからコリン・デクスターまでの作家が取り上げられている。特に、ドイル、クリスティ、クイーン、カーなどでは大いに盛り上がり、熱の入った意見のやり取りがほほえましい。話題になった作品をもう一度読み返したくなる。

 作品の分析については、作家でなければ気づかないような鋭い指摘が随所に見られる。たとえば、二階堂はクリスティの作品を論じて次のように語る。この作家は結末において犯人の意外性で読者を驚かせる。そのために伏線をぬるくしておき、きっちりとした手がかりを与えないで、最後に「ほら、こうでしょう」と驚かすという。この作家の小説作法を明かすのである。

 巻末の「路標的 海外名作推理小説一覧」が本格ミステリーの読書案内として役に立つ。なお、4人の作家は、芦辺拓、有栖川有栖、小森健太朗、二階堂黎人である。

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新海外ミステリ・ガイド  仁賀克雄著

 一人の著者が書いた、初心者から愛読者まで役に立つ、近年における最良の海外ミステリのガイド本はこれ。
 著者はまず、ミステリのおもしろさを知り、ミステリを愛している。次に、海外のミステリを広く読み、適切に評価している。それから、ミステリの各派の要点を押さえ、それぞれの作品を位置づけている。さらに、ミステリ映画についても広く目を配り、話題を提供している。
 圧巻は、「私の選んだ海外ミステリ・ベスト100」(この広範囲に亘る名作の数々!)と本格の三大巨匠クリスティ、クイーン、カーの「長篇ミステリ採点リスト」である。採点は、A(傑作)B(佳作)C(普通作)の三段階になっている。これがおもしろい本を選ぶ時に役に立つ。もちろんAから読む。同じ作者の1,2冊読んであまりおもしろくなかった時は、読者と作者の相性が悪いのだから、別の作者のものを読んだほうがよい。
 著者は、35年ほど前に「海外ミステリ入門」(朝日ソノラマ)という入門書兼ガイドブックを出しているが、これこそが当時における最良のガイド本であった。私もこのガイド本に導かれてミステリ・ファンになった。

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