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江戸川乱歩の編集による、海外ミステリーの傑作短編を年代順に並べたアンソロジーはこれ。
印象に残った作品を二、三紹介する。
謎の構成と論理的な解決に重きをおくと、フットレ「13号独房の問題」が痛快である。。脱出不可能と思われる13号独房からいかにして脱出するのかが興味のある問題として提出される。もしかしたらできるかもしれないと思わせる論理と手段は読者をうならせる。
奇妙な味では、バーク「オッターモール氏の手」が断然おもしろい。オッターモール氏とは何者なのか、なぜ「手」なのか。最後に、あっと驚き、恐怖にこわばる顔が目に浮かぶ。
文学的な味わいでは、ヘミングウェイ「殺人者」がいい。軽妙な語り口と殺し屋の会話が不気味である。殺しが延期されてサスペンスがさらに増し、うそ寒い恐怖が立ち込める。
コリンズ「人を呪わば」1860年からクック「悪夢」1950年までの44編、言わばミステリ・ファンの基本作品。毎日1作ずつ読むと44夜楽しめる。創元推理文庫5巻にまとめられている。
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エラリー・クイーンの原本から各務三郎が編集した、海外ミステリーの歴史をたどる傑作短編のアンソロジーはこれ。
「クイーンの定員」の原本には、補遺部分も含めると、125の個人短編集が取り上げられている。ポー「物語」1845年からケメルマン「九マイルは遠すぎる」1967年まで。その中から54の短編が選ばれて、三巻本として光文社から出版された。
どの作品もおもしろく読める。始めから通読すると、探偵や犯罪、推理、動機など、社会における事件の移り変わりを感じさせる。あるいは、百年くらいでは変わらない、犯罪に関わる人間性が読み取れるかもしれない。
特におもしろかった作品は、ポー「盗まれた手紙」、ドイル「赤毛連盟」、チェスタートン「折れた剣の看板」である。さすがにというべきか。何度読んでもおもしろい。特に印象に残った作品は、ストリブリング「ベナレスへの道」、ディクスン「銀のカーテン」、ハメット「判事の論理」である。それぞれ、想定外の動機と結末、想定外のトリック、想定外の論理で楽しめる。また、どの作品も語り口の妙が堪能できる。
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主として1940年代~60年代に海外で発行された短篇ミステリを選んで編集した傑作短篇集はこれ。
37の短篇のうち、15作品は論理の謎解きを主としているが、残りの22は多様性に富んだ楽しい読み物が選ばれている。たとえば、人情話、刑事もの、歴史もの、SFもの、密室、アリバイ、消失もの、サスペンスなど。ミステリ短篇の可能性を大いに感じさせる編集である。
印象に残る作品を二、三挙げてみる。謎解きとして、「ジェミニイ・クリケット事件」クリスチアナ・ブランド、「九マイルは遠すぎる」ハリー・ケメルマン。パロディとして、「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」ウイリアム・ブルテン、「アスコット・タイ事件」ロバート・L・フィッシュ。ブラック・ユーモアとして、「この手で人を殺してから」アーサー・ウイリアムズ、「おとなしい凶器」ロアルド・ダール。有名なものからあまり知られていない作品まで大いに堪能できる。
本書は世界ミステリ全集の一巻として1973年に早川書房から出版されているが、前に紹介した「ニュー・ミステリ」とあわせて読むと、ミステリ的な想像力(?)が大いに刺激され、短篇ミステリの可能性がさらに広がっていくように思われる。
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