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クリスティーのミステリにおいて二大傑作の一つ、「アクロイド殺し」と並び賞される作品はこれ。
岩だらけの孤島、インディアン島に建てられた、贅を尽くした近代邸宅。そこに集められた、いわくありげな十人の者たち。彼らは、「十人のインディアンの少年」の童謡にあわせて一人ずつ殺されていく‥‥十人全員が死んで「誰もいなくなった」時、一体犯人は誰なのか、読者の頭の中は真っ白になる。
「アクロイド殺し」はあまりにも有名なので、ミステリの情報などで、小説を読まないうちから犯人が分かってしまうことがあるのは残念である。しかし、本書「そして誰もいなくなった」は、有名ではあるが、犯人についてそれほど口外されていないと思うので、結末を読むと多くの読者がびっくりするにちがいない。ミステリの初心者は、クリスティーを読むときは、まず「アクロイド殺し」を、次にすぐ「そして誰もいなくなった」を読むようにお勧めする。とにかく犯人の情報が読者の耳に入らないうちに。
本作品はヴァン・ダイン「僧正殺人事件」の童謡殺人から影響を受けている。そして、孤島における連続殺人ものとして、綾辻行人「十角館の殺人」に影響を与えている。清水俊二訳でハヤカワ文庫から発行されている。活字が大きくて読みやすい。
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ミステリを読んでびっくりしたいと思っている読者にぴったりの本格推理小説はこれ。
K**大学推理小説研究会のメンバー7人が、十角館の建っている無人島で、一週間合宿することになった。彼らは仲間内で、ミステリイ作家にちなんだニックネームで呼び合っていた。エラリイ、ルルウ、カー、ポウ、アガサ、オルツィ、ヴァンというように。やがて、彼らは一人ずつ殺されていく‥‥一方、本土では推理小説研究会の元会員のもとに怪文書が届く。それには「お前たちが殺した千織は、私の娘だった。」とあった。その怪文書の調査が進んでいく‥‥
本作品は1980年代末から1990年代にかけて「新本格」のブームを巻き起こす契機となった。クリスティの孤島もの「そして誰もいなくなった」を下敷きに、新しい創意を加えて「謎とその論理的解明を主軸とした物語」を創り上げている。
作者の処女作で、初々しい推理小説になっている。2007年に講談社文庫から新装改訂版が出た。活字が大きく行間もあり、読みやすい。
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「多彩多様な作品群」から選出された、海外スパイ短編小説の秀作アンソロジーはこれ。
印象に残った作品を幾つか紹介する。
謎解きのおもしろさでは、ウォーレス「コード・ナンバー2」である。スパイはどのようにして特別な金庫から極秘の暗号文書を盗んだのか。また、その盗んだ情報をどこに隠したのか。最後の種明かしが小気味よい。
いかにも古き時代のスパイ小説といった趣の作品は、オッペンハイム「セルビアの女」である。外務大臣の重要書類が盗まれるが、それを一夜のうちに取り戻してみせるという、快男児ラフの活躍をスピーディに語りきる。
ウォルシュ「敵のスパイ」は、スリルとサスペンスに満ちた逃亡の話である。最後のどんでん返しまで息をつかせない。
異色な作品としては、中国を舞台にした「敵は家のなかに」バック、アメリカの南北戦争を背景にした「ある奇妙な体験」トウェインなども読める。
この「傑作選」は、スパイ小説全盛時代の1978~79年に講談社文庫として3巻出版された。
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