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貧しい元大学生ラスコリーニコフが犯す殺人と魂の彷徨を中心に、信仰にあつい娼婦ソーニャの愛と、放蕩者でニヒリストのスヴィドリガイロフの絶望を配置して、探偵小説的手法を生かして犯罪者の罪と罰を重厚に描くロシア文学の名作はこれ。
19世紀の半ば、ロシアの都市ぺテルブルグ。貧しい元大学生ラスコリーニコフは非凡人の思想をもとに、金品を盗むため、金貸しの老婆を殺し、さらに、そこに来あわせた老婆の義妹をも殺してしまう。犯行後、罪に意識に苦しみ悩む主人公は、予審判事ポルフィーリイとの三回にわたる心理的な対決を通して追い詰められていく。自分の犯した罪に罰せられて苦しむ主人公は、貧しい家庭のため娼婦に身を落としたソーニャの信仰と愛におしすすめられ、絶望的なニヒリストであるスヴィドリガイロフの自殺の報を聞いて、ついに警察に自首する。
探偵役の予審判事ポルフィーリイは背の低い太った男で、しし鼻の、ふっくらした丸顔である。この探偵役が時に皮肉っぽい饒舌で、時にこっけいで道化て、殺人犯人を執拗にじりじりと追い詰めていく。新潮文庫の訳者(工藤清一郎)の解説によると、「犯人はわかっており、それを予審判事が追いつめてゆくという『刑事コロンボ』の原図である」とある。
ちなみに、「アメリカ探偵作家クラブが選んだミステリBEST100」(1995年)に載っている「ザ・ランキング」表をみると、本作品が第24位に選ばれている。日本のミステリ・ランキングにはなかなかあがってこないが、ミステリ・フアンにぜひお勧めしたい隠れた名作である。
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大手出版社がつくった最新最強のミステリー・ガイドブックはこれ。
ミステリー関係者、ミステリー通など795人にアンケートを送り、387人から回答を得て、国内編・海外編のベスト100を選んだものである。作品の解説は「あらすじ」と「うんちく」に分けている。作品のランキングの座談会は、ファンクラブの和気あいあいとした感じで楽しい。さらに楽しいのは激賞・偏愛コメント集で、ミステリーに対する情熱的な愛の告白に満ちている。その作品をもう一度読み返したくなる。
ミステリーファンは愛好が高じると、創作に取り組むか、評論に向かうか、遊びを創意工夫するかなどに分かれる。ミステリー遊びとしては、名探偵もの、犯人もの、犯罪トリックもの、犯罪動機もの、密室ものなどいろいろ試みられているが、しかし何と言っても一番は、「ベスト10」「ベスト100」のランキング遊びである。26年前に発行された「東西ミステリーベスト100」(文春文庫)と読み比べると、いっそう楽しく遊べる。自分の「ベスト10」をあれこれ考えると、読みたい本がどんどん増えてくる。
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短編集(五)(六)は推理小説である。彼の推理小説は、現代社会の中に生きる人間、日常生活の中に生きる人間が現実感をもって登場し、その人間が引き起こす犯罪が現実感をもって物語られる。
(五)の表題作「張込み」では、張込みをする刑事の眼を通して、平凡な主婦の隠されていた過去と秘められていた情熱を描いている。また、(六)の表題作「駅路」では、捜査する刑事の眼を通して、定年で退職したばかりの平凡な男の失踪と悲しい末路を語っている。
本格的な謎解きは少ないが、リアリティのある登場人物、社会性のある犯罪動機、読者の興味を引く話の構成、徐々に解明されていく真相、さらには文学的な味わいなど、小説を読む楽しさが堪能できる。
松本清張は、その後、旺盛な好奇心のおもむくまま精力的な創作活動を繰り広げ、現代小説、歴史小説、推理小説、古代史、現代史、ノンフィクションなどに膨大な作品群を残した。文学界に与えた影響は多大なものがあった。特に、推理小説界では著しく、「清張前、清張後」という言葉が生まれたほどである。
清張は本格的な推理小説にも理解があり、作品数は少ないが、長篇では「点と線」や「砂の器」などを残している。
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