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罪と罰 ドストエフスキー作

 貧しい元大学生ラスコリーニコフが犯す殺人と魂の彷徨を中心に、信仰にあつい娼婦ソーニャの愛と、放蕩者でニヒリストのスヴィドリガイロフの絶望を配置して、探偵小説的手法を生かして犯罪者の罪と罰を重厚に描くロシア文学の名作はこれ。
 19世紀の半ば、ロシアの都市ぺテルブルグ。貧しい元大学生ラスコリーニコフは非凡人の思想をもとに、金品を盗むため、金貸しの老婆を殺し、さらに、そこに来あわせた老婆の義妹をも殺してしまう。犯行後、罪に意識に苦しみ悩む主人公は、予審判事ポルフィーリイとの三回にわたる心理的な対決を通して追い詰められていく。自分の犯した罪に罰せられて苦しむ主人公は、貧しい家庭のため娼婦に身を落としたソーニャの信仰と愛におしすすめられ、絶望的なニヒリストであるスヴィドリガイロフの自殺の報を聞いて、ついに警察に自首する。
 探偵役の予審判事ポルフィーリイは背の低い太った男で、しし鼻の、ふっくらした丸顔である。この探偵役が時に皮肉っぽい饒舌で、時にこっけいで道化て、殺人犯人を執拗にじりじりと追い詰めていく。新潮文庫の訳者(工藤清一郎)の解説によると、「犯人はわかっており、それを予審判事が追いつめてゆくという『刑事コロンボ』の原図である」とある。
 ちなみに、「アメリカ探偵作家クラブが選んだミステリBEST100」(1995年)に載っている「ザ・ランキング」表をみると、本作品が第24位に選ばれている。日本のミステリ・ランキングにはなかなかあがってこないが、ミステリ・フアンにぜひお勧めしたい隠れた名作である。

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