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四肢麻痺の鑑識の天才リンカーン・ライムとニューヨーク市警の刑事アメリア・サックスのコンビを中心に、科学捜査のチームが活躍するライム・シリーズ第7作はこれ。
ハドソン川の桟橋で、殺人があったらしい大量の血痕が残されていた。また、ブロードウェイの路地で残酷な手口で殺されたらしい死体が発見された。どちらの現場にも旧式な時計とメモが残されていた。メモには「冷たい月が満ちて地上の骸を照らし、誕生から始まる旅の終わりを告げている。ウォッチメイカー」とあった。犯人はさらに犯行を続けるようなのだった。ライムがこの事件に取り組むのと平行して、サックス刑事は、公認会計士が自殺を偽装して殺された疑いのある事件の捜査を進めていた‥‥
やがて、この二つの事件がつながりをみせてくると、意外な展開になり、さらにどんでん返しが待っている。最後には、天才的な犯人によって周到緻密に計画された事件の全貌が明らかになってくる。
作者は安楽椅子探偵ものと警察ものとあわせて新しいミステリのおもしろさを創り出した。鑑識の天才ライムと犯罪の天才ウォッチメイカーの対決の行方が、読者の心をつかんで離さない。今回はキネシクスの専門家キャサリン・ダンスをゲストの迎えて犯人を追い詰める。キネシスクとは「証人や容疑者のボディランゲージや言葉遣いを観察し、分析する科学」(訳者あとがき)である。
[1回]
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この小説は迷路のようにつくられた作品である。迷路には本道、脇道、横道、裏道、行き止まりなどがあるように、この小説にも探偵が失踪者を探すという本筋により合わさって、大小さまざまなエピソードが絡んでくる。
失踪人の妻の弟は、学生運動で退学した後、組の者になり、工事現場の労務者を相手にする飲み食いの商売や売春を仕切っていたが、労務者たちの日ごろからの不満や反感が爆発して、襲撃にあい殺されてしまう。一方、会社員の田代は、調査員の「ぼく」と一緒に、失踪人が撮ったヌード写真のモデルと思われるスタジオの女に会いに行き、別人だと分かる。それから田代はいろいろな嘘を重ね、後で電話で「自殺する」と脅し、本当に自殺してしまう。さらに、コーヒー店における、得体の知れない朝の集まりは、臨時運転手を相手にしたもぐりの職業斡旋所のようであった。後日、そこを調べに行った「ぼく」は、袋叩きにあって放り出されてしまう。
小さいエピソードとして、小型バスのラーメン店のひげ面の男、図書館で写真のページを切り取る女子学生、洋裁店を営んでいる別れた妻、家出少年の売春の話、スタジオのモデル嬢の話など印象的な迷路を仕組んでいる。
この作品はある都会における昭和42年2月2日から14日までの物語である。そこで描かれているのは、小説の中で示されている新聞記事「蒸発人間86,254人」に象徴されような1967年の日本の情況である。この実験的な前衛小説は、1967年日本のドキュメンタリー小説となっている。
[1回]
私立探偵小説の形式を借りて、迷路を潜めた都会の中で失踪人を探す探偵が失踪してしまうという話を、ブラックユーモアで描いた小説はこれ。
大燃商事販売拡張課長の根室洋が、職場を捨て妻を残して失踪した。T興信所の調査員「ぼく」が関係者に会って話を聞くが、手がかりが少なく調査はなかなか進まない。依頼人の妻はあいまいな応答でらちが明かない。妻の弟はどういうわけか「ぼく」の行く先々に顔を出す。彼はどこかの組の者のようで、工事現場の従業員を相手に何か商売をしているらしい。一方、大燃商事の若い社員田代は、失踪人がヌード写真の趣味をもっていた、後でその写真を見せると話す。さらに、手がかりのマッチ箱からコーヒー店を調べてみると、この店で得体の知れぬ集まりがあるようなのであった。
いわくありげな人物が次々に登場し、いわくありげな話や手がかりを残していくが、失踪に結びつくものはほとんどない。調査員は苛立ち焦り、途方にくれ、自分を見失っていく‥‥
調査員の「ぼく」が紆余曲折を経て失踪にいたるまでを描くため、作者はさまざまな技法を実験的に駆使する。登場人物の意味ありげで不可解な行動、無意味に引き伸ばされる会話、事物の細部への執拗なこだわり、物をたくさん羅列する描写、前後する筋の転換、入り混じる幻想と現実、笑いを誘う奇妙な論理など、主人公の不安や恐怖、孤独や狂気を内側からじっくりと浮かび上がらせる。
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