四肢麻痺の鑑識の天才リンカーン・ライムとニューヨーク市警の刑事アメリア・サックスのコンビを中心に、科学捜査のチームが活躍するライム・シリーズ第7作はこれ。
ハドソン川の桟橋で、殺人があったらしい大量の血痕が残されていた。また、ブロードウェイの路地で残酷な手口で殺されたらしい死体が発見された。どちらの現場にも旧式な時計とメモが残されていた。メモには「冷たい月が満ちて地上の骸を照らし、誕生から始まる旅の終わりを告げている。ウォッチメイカー」とあった。犯人はさらに犯行を続けるようなのだった。ライムがこの事件に取り組むのと平行して、サックス刑事は、公認会計士が自殺を偽装して殺された疑いのある事件の捜査を進めていた‥‥
やがて、この二つの事件がつながりをみせてくると、意外な展開になり、さらにどんでん返しが待っている。最後には、天才的な犯人によって周到緻密に計画された事件の全貌が明らかになってくる。
作者は安楽椅子探偵ものと警察ものとあわせて新しいミステリのおもしろさを創り出した。鑑識の天才ライムと犯罪の天才ウォッチメイカーの対決の行方が、読者の心をつかんで離さない。今回はキネシクスの専門家キャサリン・ダンスをゲストの迎えて犯人を追い詰める。キネシスクとは「証人や容疑者のボディランゲージや言葉遣いを観察し、分析する科学」(訳者あとがき)である。
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