はかない恋といえば、きわめつけの小説はこれ。若いころ読んだ時は、物語られた正夫と民子の心情をあわれに思いせつなく感じるとともに、歌い上げるような自己陶酔的な語り口に辟易した。しかし、老い先短くなってきたころに読み返すと、若い人の幼い恋を清らかに歌い上げているところがすがすがしいと思えるようになってきた。
ヘミングウェイの「老人と海」にも同じような感慨をもつようになった。作者は、老人の心に感情移入し、感傷的な叙述に終始する。この叙事詩ともいえる作品を読んで、老人の負けじ魂に心を打たれるとともに、自己陶酔的な心情の吐露に恥ずかしさも感じた。しかし、老人の年にだんだん近づいていくと、まっすぐに老人の不屈の精神を歌い上げているのが、かえって素朴で力強く、好ましく思えるようになってきた。
歌人や詩人の自己陶酔の心が作品にまっすぐな力強さを与えている。
[3回]
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SF漫画といえば、小学生のころに読んだ「鉄腕アトム」。中でも忘れられない作品は「海蛇島の巻(原題:アトム赤道をゆく)」。月刊誌「少年」(1953年8月号)の別冊付録であるが、おそらく小学2,3年ごろに近所の友達から借りて読んだのだろう。(このころの我が家の家計から考えて少年誌を買える余裕はなかったはずだ。)
この漫画はアトムの三日間の冒険を描いたもので、海賊に囚われの身になっているルミコ親子を赤道の海蛇島から助け出し、クビクビ島から脱出させる物語である。
このストーリーも実におもしろかったが、さらに、ロボット少年アトムをめぐる二人の少女(島の娘と美少女ルミコ)の関係である。アトムはクビクビ島の娘に「いつまでもこの島にいてほしい。あたしあなたに一生召使としてつかえてもいい」と言われるほど勇者として慕われているが、アトムがルミコ親子と一緒に島から出ていくことになると、この娘はアトムの首を切り落とし、持っていってしまう。このストーリー展開には子ども心にすごい衝撃を受けた。
また、アトムはルミコに「あの人きっとピーターパンよ。あたしいつまでもおともだちでいたい」「やさしく強かったアトムさん」と言わせるほどこの少女の心をつかんでいたが……いかんせん、ロボットと人間、ロボット法もあることなので、アトムはルミコとの再会をあきらめて悲しみにくれる。去っていくルミコをアトムが陰から見送って終わるシーンは、子どもの胸をふるわせじいんとさせる、なんとも心にくい演出なのであった。
[4回]
本仮屋ユイカがTBS系「王様のブランチ」の司会に起用されました。
「王様のブランチ」では3月末に優香が卒業したので、後任には注目していました。
[1回]