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魍魎の匣  京極夏彦(その2)

探偵役の中禅寺秋彦は京極堂の古本屋であり、神主であり、憑き物落としの拝み屋である。彼の技術は、事件に関する情報を広く集め、情報を読み解き、情報を組み立て、情報を巧みに提示することである。この技術は、この作者の創作法でもある。つながりあう幾つかの事件を組み合わせ、それらを適当な部分に分け、断片的な事件の情報を幾人かの個性的な人物の視点から提出する。そこで、大小のいろいろの謎が謎を呼び、読者は迷路に迷い、迷宮に落ち込む。最後に、作者は(そして中禅寺は)幾つかの事件に分けてこれまでの情報を整理し、順序よく分かりやすく劇的に説明する。「劇的」なので、読者はあっと驚き、登場人物は憑き物を落とすのである。
 京極堂シリーズの妖怪小説始めの5作を読んでみると、すべてミステリ仕立てである。それぞれの作品は、事件の舞台や妖怪の謎にユニークな創意工夫が凝らされている。第1作「姑獲鳥の夏」では、豊島の久遠寺医院において妊娠20ヶ月の妊婦の謎が提示される。第2作「魍魎の匣」では、武蔵野の美馬坂医学研究所において密室からの人間消失の謎が示される。第3作「狂骨の夢」では、逗子の脳髄屋敷において何度殺されても現れてくる復員兵の死霊の謎が出される。第4作「鉄鼠の檻」では、箱根の禅寺院における僧侶殺害事件の謎、第5作「絡新婦の理」では、房総半島の女学院における変死事件の謎がでてくる。これらの謎が他の謎とつながりあい響きあって、一大交響曲の趣である。

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