匣にまつわる魍魎の憑き物を落とす陰陽師の中禅寺秋彦とその仲間たちの活躍を描く、ミステリ仕立ての妖怪小説はこれ。
魑魅魍魎の跋扈する昭和27年の東京、大富豪の直系の美少女誘拐事件と連続少女バラバラ殺人事件とが交錯する時、陰陽師の出番がやってくる。複雑に入り組んでいる人間関係の秘密、錯綜しつながりあっている事件の謎、これらにまとわりつく魍魎の不思議を陰陽師の術と技で振るい落とす。
圧巻は誘拐事件における密室の中の少女消失である。警察の厳重な警戒のもとにあった病室の中から、重病で寝たきりの少女が忽然と消えてしまったのである。探偵役の中禅寺は「トリックなんてないんだ」「(犯人は)ずるがしっこかっただけだ」と語り出し、驚くべき真相を明らかにする。
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