本格ミステリーの入門編的なアンソロジーといえばこれ。初心者から長年のファンまで楽しめる傑作短編ぞろいである。
選ばれた作者のこの顔ぶれを見よ!エラリー・クイーン、ロナルド・A・ノックス、ジョン・ディクスン・カー、エドワード・D・ホック、山田風太郎、鮎川哲也、泡坂妻夫、連城三紀彦、法月綸太郎の9名。本格の巨匠から職人芸のストーリーテーラーまで、手練手管をつかって読者をあっと言わせる驚きとおもしろさに満ちている。
特に感心したのは、鮎川哲也の「達也が笑う」という犯人当て小説である。犯人を捜しながら読むと二倍楽しめる。「探偵小説は機知の文学であると同時に稚気の文学でもある、とわたしは考える」と鮎川が述べているような作品になっている。「謎とその論理的解明を主軸にした物語」が堪能できる。
[1回]
PR
お探し物がありましたら、こちらからどうぞ