「ミステリベスト100(日本篇)」(1997年発行)で、本格的コン・ゲーム(信用詐欺)小説の傑作と評されているので、本書を読んでみた。
テレビ局を退職し離婚の慰謝料が多額になった寺尾、多額の借金を抱えている芸能プロダクションの旗本、サラ金に多額の借金があるタレントの清水、年老いた父親を入院させるために多額の費用の必要な女事務員中本、さらにその父親が実は昔は大物詐欺師だったという。この五人が集まった時、スリルと笑いにあふれたコン・ゲームが繰り広げられる。最後には、ちょっとしたどんでん返しの驚きが待っている‥‥
このちょい悪な詐欺物語は、テレビ業界の内幕や当時の風俗を風刺しながら、軽く読めて楽しめる、後味のよい読み物になっている。
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