アメリカ、メキシコ、コロンビアなどを舞台に、麻薬をめぐる組織犯罪者と捜査官との、三十年にわたる攻防を描いた小説はこれ。
アメリカの麻薬取締局の特別捜査官アート・ケラーは、メキシコのシナロア州警察の警察官バレーラと手を組んで、シナロア州の麻薬元締めドン・ペドロを追い詰める。しかし、バレーラの思惑は、ケラーを利用してドン・ペドロの組織を壊滅させ、自分の麻薬カルテルを組織することにあった。捜査官アートの側には、CIAやメキシコの連邦保安局員、麻薬捜査官などが顔を並べる。一方、バレーラの麻薬組織側は、甥のアダンとラウルの兄弟や殺し屋の部下などを配置する。そして、反麻薬派のイタリア系マフィアのチノーミ一家をからめ、さらに、隠れて麻薬の商売に手を染めているチノーミ一家の幹部ピッコーネ兄弟も入って、複雑な抗争が入り乱れる‥‥
主要な人物が少しずつ殺され消えていき、最後まで生き残るのは誰かといサバイバルゲームの様相を呈してくる。さらに、麻薬戦争の背後には、左派の反政府革命組織に対する右派の反革命暗殺集団による作戦が浮かび上がってきて、国際謀略の陰謀が見え隠れしている。一体この小説はどのような結末を迎えるのかという興味に引きずられて最後まで目が話せない小説になっている。
[2回]
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