国家公務員として英国情報部に勤務するサラリーマンを主人公に据え、官僚組織内における個人の生き方を追求したスパイ小説はこれ。
英国情報部のチャーリー・マフィンは、風采の上がらない中年男であるが、仕事は有能でプロ意識に徹している。しかし、チャーリーは新任の部長からは用済みの厄介者として疎まれ、若い同僚からは横柄で間抜けな、時代遅れの変わり者として蔑まれている。そして、彼はベルリンの検問所を車で通過するという危険な任務を与えられ、危うく命を落としそうになったのである。
一方、ヨーロッパスパイ網の責任者であったソ連KGBの大物ベレンコフ将軍は、マフィンの働きで逮捕され刑務所に入っていた。そのベレンコフ将軍の親友であるKGBの大物カレーニン将軍が亡命を望んでいるらしいとの情報が情報部に入ってくる。これにどんな罠が仕掛けられているのか‥‥
最後にはぎゃっと飛び上がるどんでん返しが待っている。所々に張り巡らされていた伏線が心憎い。
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