日本の少年が最初に出会う小説はこれでありたい。ミステリのファンに育てる初心者用の本として最適である。明智探偵や小林少年の活躍する時代や社会の様子は古くなってはいるが、小説に描かれた怪奇幻想恐怖の世界、不可思議な事件、怪人との知恵比べ、知的な謎解きは決して古びてはいないし、今でも楽しめる。
もし少年が本書をおもしろいと思ったら、必ず次の「少年探偵団」も読みたくなる。そして、「妖怪博士」「青銅の魔人」「透明怪人」「宇宙怪人」「怪奇四十面相」など十冊くらい読むと、今度はもう少し違う作者のものも読みたくなる。
次は、少年用の怪盗紳士ルパンシリーズや名探偵ホームズシリーズが中級用の読み物として待っている。やがて、高校や大学のころに上級用のエラリイ・クイーンやディクスン・カー、アガサ・クリスティーまで進めばミステリ初段である。
ここまで土台ができあがると、後は自分の好きなミステリのジャンルに分け入り、開拓できる。本格、警察、法廷、私立探偵、サスペンス、冒険、スパイなど多種多様に広がるミステリの世界を大いに楽しむことができる。
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