少なくとも10回はプッと吹き出しニヤリと笑ってしまう、盗みの天才ドートマンダーと仲間たちの活躍を描く、コミカルな犯罪小説はこれ。
初めの仕事は、ニューヨーク・コロシアムに展示されている五十万ドルのエメラルドを盗み出すことだった。ドートマンダーと相棒のケルプは、運転手や錠前破り、何でも屋を集め、周到な計画を立て、実行に移す。仲間のグリーンウッドはうまく宝石を盗み出すが、逃げる途中で警備員に前後から挟まれる。絶体絶命のグリーンウッドは思い余って宝石を飲み込んでしまう。彼らの次の仕事は、囚われの身となったグリ-ンウッドを拘置所から助け出すことだった‥‥
盗みの仕事の困難なレベルがだんだん上がっていくにともなって、ドートマンダーの作戦もさらにレベルアップしていくところが見所である。最後には見事な仕返しで締めくくる。スターク名義の「悪党パカー」ものではたくさんの人が死ぬが、この小説では一人も死なない話にしているのがうまい。ロバート・レッドフォード主演の映画もおもしろかった。
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