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ブロの二重の死  クロード・アヴリーヌ作

 殺人課の課長ブロの「二重の死」をめぐる事件を語って人生の不条理を悲劇的に描く、フランスの文学的ミステリの古典的名作はこれ。
 パリ警視庁司法警察殺人課のフレデリック・ブロは、現場の捜査に情熱を燃やすぴか一の刑事だったが、同僚たちの予想を裏切って、現場から離れて指揮を執ることになる課長を引き受ける。そのブロが、連絡なしに上司との待ち合わせをすっぽかしたのである。不安に思った上司は、部下をブロの自宅に行かせる。リヴィエール刑事がブロの自宅を訪ねると、部屋の中には、ブロと、彼にそっくりの男が倒れていた。一人は瀕死の状態で、もう一人は死んでいた。どちらも銃で撃たれていて、どちらの男のそばにもピストルが落ちていた‥‥
 このようにして始まった「前代未聞の事件」が驚くべき展開をたどって語られる。ブロの「二重の死」の謎が徐々に明らかになっていくと、皮肉な運命のいたずら、人生の不条理が、悲しみとともに鮮明に浮かび上がってくる。調査にもとづく司法警察の正確な描写、人間味あふれる繊細な心理描写、心にしみる情景描写、エスプリのきいた語り口、しゃれた小粋な話の終わり方など文学的な味わいに満ちた佳品である。
 この作品を気に入った読者には、警部長時代のブロの活躍が楽しめるミステリ「U路線の定期乗客」がおすすめである。

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