(※作品に仕掛けられたトリックを明かしますので未読の方は読まないでください。)
この作品を難解にしているものが幾つかある。第一に作品の構成である。この作品は大きく四つに分かれている。記述全体における各篇の割合を%で示す。
○現在篇 「私」の独白と若林博士との対話 19%
(大正15年11月20日真夜中から午前)
○書類篇 正木博士の残した書類5部を読む 47%
(大正15年11月20日午前)
○過去篇 「私」が10月20日午前を回想したシーン 30%
<正木博士との対話>
(大正15年11月20日午前)
○解決篇<現在篇のつづき> 新聞記事と「私」の独白 4%
(大正15年11月20日午後から真夜中)
すなわち、物語全体は、11月20日の真夜中(午前)に始まり真夜中(午後)に終わる。一日の出来事になっている。過去篇の回想シーンが現在篇と地続きに語られ解決篇につながっているので混乱してしまう。これが大きなトリックになっている。
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