少し話は古くなるが、四十年ほど前に世界的ベストセラーとなったもので、事実と虚構を織りまぜてつくりドキュメンタリー・スリラーといわれた小説はこれ。もちろん、今読んでもおもしろい。この小説をもとにしてつくられた映画もすばらしい出来栄えだった。
フランスのドゴール大統領の暗殺を依頼された殺し屋(暗号名ジャッカル)は着々と準備を進め、計画を実行に移していく。それに対して、殺し屋を追うフランスの司法警察のルベル警視は、いろいろな手を打って着実に追い詰めていく。暗殺者ジャッカルとルベル警視の対決の日が近づき、いよいよ決着の時がくる。
ジャーナリスティックな感覚、広範に徹底した取材、追う者と追われた者とを交互に描きサスペンスを盛り上げる手法、行動や事件をスピーディに展開させる叙述など、読者をハラハラドキドキさせて物語に引き込み、一気に読ませてしまう。
一作目の本書に続き、二作目のナチスの救援組織を題材にした「オデッサ・ファイル」、三作目のアフリカにおける傭兵のクーデターを扱った「戦争の犬たち」もベストセラーになり、フレデリック・フォーサイスの作家的地位を確かなものにした。
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