この作品において読者の関心を引くのは、ゴドーとは何者かという謎である。
ゴドーは白い髭があり、男の子とその兄を召使として使っている。兄には羊の番をさせ、男の子には山羊の番をさせている。彼らには食べ物を与え、物置のわらの中に寝泊りさせている。ゴドーは兄をぶつが弟には優しい。そして、兄は病気になっているという。
浮浪者二人のうち、エストラゴンはゴドーを知らないが、ヴラジミールがゴドーを知っている。ヴラジミールはゴドーが来れば自分たちは救われると思っている。彼はゴドーに泣きついて「一つの希望」を語り、「漠然とした嘆願」を行い、お金などの無心をしたようである。それに対してゴドーは「考えてみよう」とあいまいに答え、「家族や、友達、支配人、取引先、銀行預金とも相談し、そのうえで返事をする」と言い訳する。そして、ゴドーは約束の場所に時間までには現れず、男の子を遣わして「今晩は来られないけれど、あしたは必ず行く」と伝えさせる。ヴラジーミルはゴドーが来ないなら救われないので首をつろうと考える。また、エストラゴンンに「いっそのことすっぽかしてやったらどうだ?」と聞かれて、ヴラジミールは「あとでひどい目にあわせられる」と答える。
ここまでくると、ゴドーについてのあらぬ疑いが浮かんでくる。実は、ゴドーは男の子の兄を殺してしまったのである。
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