日本名のイギリス人作家の作品で、「東西ミステリーベスト100」(2013年)の海外編で第74位だったので、本書を読んでみた。
この小説はミステリとは言えないが、物語全体に謎めいた雰囲気が漂っている。主人公の語りの進展にともなって、秘められた謎が次第に明らかになってくる。そして、主人公や友人、恋人が逃れられない運命を受け入れていく姿を、悲しみ深く描いている。
作品名の「わたしを離さないで」は、主人公が施設で過ごした少女時代に持っていたカセットテープの歌の題名である。この恋の歌を、主人公は別な意味に解釈する。さらに、主人公が曲に合わせて踊っている姿を見た施設の経営者「マダム」は、違った意味に解釈する。どんな意味かは読んでのお楽しみである。
[2回]
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